「火星」フルバージョン(1)

こんにちは、ユースの三上響です。

 

ミュージアムキッズ!創刊準備号No.2、8、9ページの

「ちっちゃなはてな?も、ミュージアムへ」では

仙台市の古本カフェ「book cafe 火星の庭」の前野久美子さんと、

日本科学未来館の新井真由美さんにお話を伺いました。


とっても面白いお話をたくさん聞かせていただいたのですが

スペースの都合上、本誌にはごく一部しか載せきれませんでした(;;)

そこで今日はお2人のインタビューの全文をご紹介します。


まずは火星の庭の前野さんです。

(その2、日本科学未来館の新井さん

<book cafe火星の庭 前野久美子さん>

2014年8月某日

火星の庭にて

聞き手 三上&大松


本好きの2人でうかがいました。

おしゃれな店内に少し緊張しつつ、店長の前野さんに気になることを聞いていきます!


・「火星の庭」という店名の由来を教えてください

 「火星の庭」という言葉はあるときふっと思いついたものです。火星は太陽系の惑星の中で、私たちが一番慣れ親しんでいる星です。懐かしく、そして新しい場所。古本も懐かしく、新しいものだと思います。私が子どものころはテレビで火星人はいる!などとよく取り上げられていて、宇宙に夢があった世代だというのもあります。

 よく店名の由来を聞かれるので、「火星の庭のお話」という絵本も作りました。


・普通の古本屋ではなくブックカフェという形をとったのはなぜですか

 お茶を飲みながら本を読むのが好きなので、というのが一番の理由です。調理師の免許を持っているのでそれを活かすことも出来る。昔住んでいたドイツにはブックカフェがけっこうあって、影響を受けました。


・お客さんはどのように過ごす人が多いですか

 (店内は入って左側に本棚が並び、右側がカフェコーナーになっている。)お茶をする人もしない人も、ゆっくり過ごしていく方が多いですね。カフェコーナーではお茶を飲みながら本を読むことが出来ます。

店内の様子。本だけでなく、ポストカード等紙雑貨も充実していました。
店内の様子。本だけでなく、ポストカード等紙雑貨も充実していました。

・ママパパ向けに、本の楽しみ方のヒントをお願いします

 「読まなきゃ」と思うのではなく、まず本のある場所に足を運んでほしいです。背表紙を眺めるだけでも違いますし、本を選んで買うという体験も含めて読書だと思います。

 それから、こどもに本を読ませようとしてはいけません。親がしないことはこどももしないですから。親がこどもの傍で読んでいればこどもも自然に読みます。さりげなく本を置いて本との出会いを用意し、待ちましょう。


・どのような本を選ぶといいですか

 あまりお説教臭くないものがいいですね。子どもの未完成な世界をひろげて、楽にしてあげる本。本選びに迷ったら、奥付(最後のページ)を見ることをおすすめします。昔から何刷もされている本は、時代の変化に関わらず読まれてきたものなので、自ずと良い本だと言うことが出来ます。


・前野さん自身はどのような子ども時代を過ごしましたか?本との関わりは?

 福島の田舎で育ちました。山の中で野性児のように遊ぶ一方で、図書館で貸出数ランキング1位になるような大の本好きでした。田舎でほかに刺激が無かったから本を読んでいたのかもしれませんね。


・今後どのようなことをしていきたいですか

 今は情報がたくさんあって、出来ることや選択肢は増えたように見えるけれど、人々の興味の範囲はかえって狭まっているような気がします。自分の「今好きなもの」だけでなく、知らない世界を知って興味を刺激するのも本の役割です。本というのは、自分のペースで自分と対話するひとつの体験です。本を通していろんな人・世界があることを知ることは人生を豊かにしてくれます。このような本の力を伝えることを大切にしています。

路面にも本がたくさん並ぶ
路面にも本がたくさん並ぶ

ありがとうございました。

取材後、私たちは本棚をじっくり見て周り、お気に入りの1冊を見つけて買って帰りました♪


(三上 響・大松真菜)

book cafe 火星の庭

〒980-0014

宮城県仙台市青葉区本町1-14-30-1F

TEL 022-716-5335

営業時間/ 11:00 ~ 19:00 定休日/毎週火曜・水曜

http://www.kaseinoniwa.com