<日本科学未来館 新井真由美さん>
2014年9月某日
メールにて
聞き手 三上
火星について考えること自体、下手すると中学生のとき以来かも?というド文系の私ですが
まずは火星がどんな星か、というところから聞いてみました。
「火星ってこんな星」
・大きさ…地球の半分 ・重力…地球の38%
・1日の長さ…24時間半 ・1年の長さ…687日
・気温…-80℃~+30℃
・太陽系一高い山のオリンポス山がある(エベレストの3倍)」
意外と知らないことばかりです。
0:30ごろ、「火星もそろそろ1日が終わるな~」なんて考えたら
ちょっとロマンティックかもしれません。
・火星人はいますか?
みなさんはどのような火星人がいると思いますか?残念ながら、「人」のように進化した生命体は現在の科学技術では見つけることができませんし、火星に住んでいるとは考えられていません。しかし、この広い宇宙にはたくさんの惑星候補が発見されているので、もしかしたらどこかにいるかもしれません。「いない」という証拠を見つけるのも難しいことです。
・火星に人間が住むことは出来ますか?
コスト、放射線、倫理的な問題が解決できれば出来ると思います。住むとしたら、放射線や紫外線の当たらない地下が向いています。今、地下に横穴が空いているのではないかと注目を集めています。将来の基地になるかもしれませんね。
・火星の探査機について教えてください
キュリオシティはキャンピングカーサイズもある探査機で、2012年から放射線量の測定など様々な探査を行いました。2014年9月には、NASAの探査機メイブンが到達します。
・キュリオシティの探査で分かったことはなんですか?
火星上での放射線量と土壌の成分を測定しました。これは、将来の有人火星探査を視野に入れたものです。往復ミッションが、2年半かかるとすれば、国際宇宙ステーション(ISS)に6か月滞在する際に浴びる放射線量の約100-150倍は被曝するということが分かりました。太陽活動が激しいときは、より危険にさらされることが予想されます。ただ、火星表面に着いてしまえば、非常に薄い大気ではあるものの、宇宙からの粒子や紫外線を防いでくれているということもわかりました。火星表面での放射線レベルは、ISSで宇宙飛行士が日々浴びている量と同じくらいです。そのため、火星表面で即、放射線被曝で死ぬということはありません。
・火星の見つけ方を教えてください
赤い星を探してください。火星は2年2カ月ごとに地球に近づき見やすくなります。次に接近するのは2016年5月30日前後です。
・火星が人々の注目を集めてきた理由はなんでしょうか
地球に似ているところが多く、もしかしたら生命がいるのではないか、人間が住めるのではないか、そしてまだまだ未知の部分が多い、という点で人々を魅了しているのだと思います。
ありがとうございました。
小学生のときに月や火星に移住する想像をしていたのを思い出しました!
(三上 響)
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